ロケンローラーと虫?
最近、堅い話やアツい話が続いているのでここらでちょいと一息。
全然堅くない虫の話。
昔、デボネアという車に乗っていた。
白と青のツートンでメッキのホイールにホワイトリボン、コラムシフトにはブルーのダイスがあしらわれベンチシートのデボネアは50年代のアメリカの影響をモロに受けていたし、俺自身意識していた。
昭和の55年製のその車は当時の三菱の高級車。
2600CCのエンジンにパワーステアリング、オートマティックシフトにパワーウインドウを装備し、エアコンまで付いていた。
にも、関わらず敢えてエアコンを使わず、窓全開でR&Rを聞きながら腕を出して乗るのが好きだった、カッコいいと思っていた。
そんな頃の笑い話。
俺は数人の後輩を連れトマムから海へとアクセルを踏んでいた。
たしか浜益の海だったと思う。
カセットテープはR&Rを奏で、デボネアはわがままいいながらも俺の運転の言う事を聞いた。
季節は夏だった。もちろん髪は全員リーゼント女気もない。
大して乱れてもいないのに信号待ちではグリースにコームを入れた。
レイバンを掛け、缶コーラを飲みながら・・・・・。
確か海からの帰りだったと思う。疲れ気味の俺が白いグランツのステアリングを握っていると、後部座席の後輩のケンジから叫び声が「タツヤさーん!」
どうせたいした事ではないと思って「なしたのよ?うるせぇー。」と、半分無視していたが、様子がおかしかった。
仕方なく車を停めて後ろを振り返ると、ケンジが泣きそうな顔で腕まくりしたTシャツの首を伸ばして浮かせている。
「どうしたのよ?」俺が良く見るとその理由が分かった。
ケンジの背中にスズメバチが止まっている。
しかもTシャツの内側から生地を通り抜けて突き出ているのはスズメバチの針。
刺す気満々。
やべぇー!
出来るだけ窓に背中を近づけるように指示し、タオル等で振り払った。
みんな怖かったが必死だった。
なんとかスズメバチはケンジの背中を離れたがまだ車の中に・・・・。
こうなればみんな自分がかわいい。
先輩も後輩も関係ない。
「やめろって、こっち来るべや!」
見苦しい争いと情けないロケンローラー達。
急いで急発進。
なんとか車からスズメバチは出て行き難を逃れた。
こういうときに人間の本質が出ると思う。
あの時ケンジが刺されていたら、今頃この日記のタイトルは「亡くなった後輩」に
なっていたかも知れない・・・・・。
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